(みなさまへのアンケートです。お手数ですがコメントをお願いします)
みなさまに応援していただいている「うつわ」も、あと3回の掲載をもっ て了となります。 ただいま、つぎの作品にむけ、取材や資料収集などさまざま準備中ですが、 そのアップをまえに、言語考現学の実験ともいえる閑話的な作品を掲載し てみたいと思っています。 その具体的なかたちは、掲載時にあきらかになりますが、だれもが知って いるようなひとつの物語を、特徴のある、さまざまな文体でつづっていく、 ブログよごしにもちかい倒錯(盗作?)的作品。 そこで、みなさんにおうかがいします。 わたしが現在、取りあげようと考えている文体のなかに〈ポルノ小説〉風 というものもふくまれているのですが、これについて、みなさんの賛否は いかにということです。(わたし自身は、挑戦したい世界かも…) なお、わたしが危惧しているのは、わたし自身がどうということではなく、 そのことが、ここにご来訪いただくみなさまにとって不愉快なことになら ないかどうかということです。 誠にお手数ですが、コメントをいただければ幸いです。 ![]() ▲
by revenouveau
| 2006-02-28 12:28
| 所感のようなもの
(「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます)
叔母の時子がなくなり、久美がひきとることになったのは、その家に代々 伝わってきたという家宝。 それは、なんと、ぬか床。 もともとは、長女だった久美の母が世話をしていたものでしたが、両親が なくなったときに、時子がひきとったものでした。 そう決まると、叔母の住んでいたマンションに引っ越し、ぬか床の世話を はじめた久美でしたが、やがて、ぬか床のなかに卵のようなものができ、 そして、そこから不思議な少年が生まれ… 生命は、どこからきて、どこへと還るのでしょうか。 はじめは、途方もない話しだと読みはじめたものが、そんな哲学的な命題 をも、しだいによびおこしていく、壮大さを感じさせるストーリー。 まさしく、これは、生命の不思議さを、梨木香歩さん独特の感性で描いた 作品です。 ■著者:梨木香歩 ■出版社:新潮社 ■価格:税込1890円 ![]() ![]() ▲
by revenouveau
| 2006-02-28 08:12
| 立読のようなもの
![]() 祝・金メダル 荒川静香さん・フィギュアスケート(トリノ五輪) トリノ五輪・フィギュアスケートのフリーで、金メダルを獲得した荒川静香 さんの得意技といえば“イナバウアー”。 これまで数多くのスケーターがこの技に挑戦してきましたが、かのじょほど 美しく、ダイナミックに上体をそらして滑走できる選手はいませんでした。 ところで、このイナバウアー。なぜ、そう呼ばれているのでしょうか。 答えはこちら... ▲
by revenouveau
| 2006-02-27 14:58
| 所感のようなもの
「どうした」 「はい、先生…」 幸一は、源造のことを先生と呼ぶようになっていた。はじめて矢をつ がえた、あの日の、すこしあとからだった。 道を問うものと、道を説くものとのあいだに生まれる、自然な感情が、 いつしか、源造をそう呼ばせていた。そのひとを己の師としようと自身 の心にさだめたとき、師弟の道は、おのずと開かれていく。 「じつは、父さんの転勤で、天城をはなれることになりました。三月い っぱいにはむこうへ…。来週、編入試験をうけることになっています」 「ほぉ、転勤とは…。また、急だな。それで、どこへ」 「東京です。世田谷の喜多見という…」 「それも、出会いだ。そこに行っても、しっかりがんばることだ」 「けど、さびしいです」 幸一は、床に目をおとした。 「ふむ、それでか」 源造は、母屋のほうをふりかえった。 「はい、志津おばさんには、自分の、こんな弱虫なところを見せたくな かったんです…」 こみあげてくる嗚咽をのみこんで、幸一は、言葉を継いだ。 「先生とはなれるのが…、つらいです」 皺がちになった笑顔がこちらをむいている。 「もう、なん年になるかなぁ。おまえと稽古をはじめてから…。こっち も教わることがたくさんあった」 源造は、幸一のひざ頭に手をやった。 「そのあいだに結んだきずなは、どんなことがあっても生涯にわたって、 だれも断ち切ることはできないだろう。そうは思わないか、なぁ」 幸一は、うなずいてかえすのがやっとだった。 「人間は、弱いものだ。しかし、つよくもなれる。もっと、つよくなる ことだ。つよい自分になれることを信じ、心に念じるんだ」 (つづく) ![]() 「うつわ」は、毎週月曜・木曜日(平日)に掲載します。 ![]() ▲
by revenouveau
| 2006-02-27 08:31
| 小説のようなもの
〜 ハリウッド版リメイク(さえら案)〜
期待度:★★★☆☆ 実現度:☆☆☆☆☆ 【キャスト】 倉本 彩(酒井法子) ■ジェシカ・ビール * 永井秀一(大沢たかお) ■ジョシュ・ハートネット * 永井拓巳(竹野内豊) ■ウィル・ケンプ * 結城祥子(細川直美) ■ヒラリー・ダフ * 遠藤園子(西村知美) ■リーズ・ウィザースプーン * 小森敏彦(伊武雅刀) ■ニコラス・ケイジ * 小泉美和(田中美奈子) ■ジェニファー・ロペス * ※ほか検討中 【ストーリー】 ジョージアの診療所で働いていた耳と言葉が不自由なジェシカと、ニュー ヨークの病院から派遣されていた医師のジョシュ。ふたりは、いつしか、 たがいに思いをよせあうようになっていました。 そんななか、ジョシュに、本院からの呼びだしが。かならず迎えにくると、 ジェシカに約束をしてニューヨークへとむかうのでした。 ジェシカは、ジョシュがある日手話で話してくれたグリム童話「星の金貨」 をこころに思いうかべながら、かれを待ちつづけますが、いっこうに音沙 汰がありません。 帰ってこないジョシュの身を案じてニューヨークへ。右も左もわからない かのじょに声をかけたのは、偶然にも、ジョシュの母親ちがいの弟ウィル でした。そして、ジョシュは、事故にまきこまれ、記憶を失っていたこと を知ります。やがて、ジェシカに恋心を抱くウィル。 そして、大病院のなかでうごめく黒い陰謀が3人の運命とからみあって… ■監督:ジェームズ・キャメロン ■初公開:未定 ■出演:上記参照 ![]() ![]() ▲
by revenouveau
| 2006-02-24 12:51
| 立見のようなもの
![]() (「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます) 「下流社会」に関するわたしの記事について出版社のほうから、おコゴトを いただいてしまいました。(▲例の「ほう」) なんの根拠もなく、書いたわけではありませんので、きょうは、参考になる 本をご紹介させていただきます。 で、なにを読めばいいの? ▲
by revenouveau
| 2006-02-24 12:35
| 立読のようなもの
![]() (「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます) もはや「中流」ではない。「下流」なのだ。 この本の著者・三浦展(みうら・あつし)さんによれば、どうも、世の中、 そういうことになっているらしいです。 下流度チェック をやってみる… ▲
by revenouveau
| 2006-02-23 17:33
| 立読のようなもの
■□■ 竹が葉末にほんのりと枯色をおいて、さやさやと音をたてている。竹 の秋。後継のいのちを育むために、自分が得た養分を、竹はいのちがけ でおくっていた。 稽古のあと、志津がだしてくれた、うぐいすもちをごちそうになって いた幸一は、ふいに思いついたようにたずねた。 「あの花はなんていうんですか。ほら、あそこの…」 射場の板壁に掛けられた古い矢筒に、黄色い花が投げこまれていた。 「れんぎょうというの。きれいでしょう」 「え、ええ」 道場で、花の名をたずねるなど、幸一にはめずらしいことだった。 落ち着かない幸一の態度をいぶかしんで、源造が声をかけた。 「どうかしたのか」 「はい、ちょっと…」 幸一は、もじもじしながら、志津のひざのあたりを一瞥した。 源造が目をやると、志津はふたりの湯のみと急須を残し、菓子鉢を盆 にのせ、席をたつ。 ここちよい間合いで、おたがいが見えている。源造と志津、長年つれ そった夫婦の呼吸だった。 (つづく) ![]() 「うつわ」は、毎週月曜・木曜日(平日)に掲載します。 ![]() ▲
by revenouveau
| 2006-02-23 08:03
| 小説のようなもの
(「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます)
死後結婚。 はじめて耳にする言葉でした。 韓国語では「サーフキョロン」。というのも、これは、韓国に伝わる儀式 で、不意にこの世を去ってしまったひとを弔うためのものだというのです。 内縁の夫が謎めいた自殺を遂げた美貌の在日韓国人、沙羅。別れた男性が 理由もわからずに失踪してしまった若いOL、京雨子。 東京と韓国を舞台に、主人公のふたりが、死後結婚の儀式に関わっていく ようすを柱に、物語が展開します。 前半は淡々と、そして、後半は小気味よいテンポで。 儀式に参加したことをきっかけに、京雨子の意識は、生者の世界と死者の 世界とを行き来するように… そこに描かれる男女の奥深い愛憎。 恐ろしくも美しい、志麻子ワールドがくりひろげられるのです。 ■著者:岩井志麻子 ■出版社:徳間書店 ■価格:税込1680円 ![]() ![]() ※背景の画像は「問題小説」掲載時の挿し絵より(部分・ぼかし加工) ▲
by revenouveau
| 2006-02-22 09:49
| 立読のようなもの
(「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます)
ながく戦争のつづいていた故国(アジアらしい)をはなれ、フランスとも 思われる異国の港町に、難民としてたどり着いた老人リンさんは、かるい 鞄をひとつもち、生まれたばかりの赤ちゃんを抱いていました。 しずかな赤ちゃんで、食もほそい。リンさんは、いつも赤ちゃんを抱いて いて、かたときもその身からはなそうとしません。 ある日、リンさんは、遊園地で、バルクという中年の大男と出会います。 かれは、さいきん、遊園地の回転木馬の係をしていた妻をなくし、ひとり ぼっちになったばかり。 おたがいに言葉の通じないふたり。 けれど、ふたりのこころは、いつしか通じあい、時がたつにつれ、こころ とこころが寄り添っていきます。 はじめに、わたしは、アジアやフランスの地域名をあげましたが、それは、 わたしの勝手な想像で、じっさいには、どこでもいいのかも… 故郷の村を失い、国を失ったリンさんと、妻を失ったバルクさんが、言葉 を超えて、こころを通わせていく物語が、ここにある。ただ、それだけで いいのかもしれません。 そっけないようでいて、どこか情感が漂っているような文章。「言葉」と はなにかを問いかけているようにも思えました。 ■著者:フィリップ・クローデル ■翻訳:高橋 啓 ■出版社:みすず書房 ■価格:税込1890円 ![]() ![]() ▲
by revenouveau
| 2006-02-21 08:42
| 立読のようなもの
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