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東京公園

(「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます)


公園にいる幸せそうな家族の写真を撮りつづけている、カメラマン志望の
大学生・志田圭司。

ある日、かれは、偶然出会った見知らぬ男性から妙なことを頼まれます。

   「妻の写真を撮ってくれないか。いや、何というか」
    少し落ち着きがなかった。写真を撮る? 奥さんだけの?
   「尾行して。写真を撮ってほしんだ」

男性の妻・百合香は、2歳になる娘・かりんといっしょに、たびたび公園
にでかけるらしい。

圭司は、どこかふしぎな感覚を抱きながらも、バイト感覚で、それをひき
うけます。

噴水をあびてしまい驚いている母娘、ちいさなおにぎりを娘の口に運んで
あげる百合香、眠ってしまった娘にやさしく微笑む百合香、…

いつしか、圭司は、ファインダーを通して、言葉をかわしたこともない美
しい被写体にこころ惹かれていくのでした。

好奇心なのか? 恋なのか?

全体にただよう透明感のある空気が、とてもさわやかな印象です。

ちなみに、物語に登場する公園は、水元公園、日比谷公園、砧公園、洗足
池公園、世田谷公園、和田堀公園、行船公園、井の頭公園(登場順)。

さて、あなたのお気に入り、またはご存じの公園は、ありましたか。

■著者:小路幸也 ■出版社:新潮社 ■価格:税込1470円

東京公園_d0063999_932391.jpg

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by revenouveau | 2007-03-07 09:34 | 立読のようなもの
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