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アタシ、どこか間違ってる?  (26)

「きのうの会議は、かれの独壇場でした」


さて、この言い方のどこが間違っているのでしょうか。




【正解例】 きのうの会議は、かれの独擅場でした。

【解説のようなもの】
間違い例と正解例、「えっ、どこが違っているの?」と思われた方もおおい
のではないでしょうか。しかし、今回は、わからなくても問題ありません。
このふたつの違いは、「独壇場(どくだんじょう)」と「独擅場(どくせん
じょう)」。どちらも、自分ひとりの思いのままに振る舞うことや、その場
面のことをいいます。
もともとは「独擅場」だったのですが「擅(せん:手偏)」が「壇(だん:
土偏)」と誤読されて一般化し、定着してしまったのです。
現在では、「独壇場」が辞書にも記載され、通用しています。
間違いがいつのまにかあたりまえになる。そんなこともあるんですね。




日本語は、とても柔軟で、食欲旺盛な言語です。それは、日本語がタテに書いても
ヨコに書いてもよかったり、英語をはじめとする外国語まじりの文章も数多く存在
することなどをみてもわかります。
そして、言葉は、つねに変化をつづけています。それは、言葉が生きている証拠と
いえるかもしれません。
ですから、かつては間違った用法とされていたものが、現在では問題なく通用して
いるということもあります。
それをふまえて、このたび、このようなシリーズをはじめてみました。みなさまに
ご参考いただければ幸いです。



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by revenouveau | 2007-01-26 10:19 | 美句のようなもの
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