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べっぴんぢごく

(「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます)


暗黒大河小説とも称される岩井志麻子さんの作品。

たよりだった母親を惨殺されて天涯孤独となってしまった乞食(ほいと)
のシヲは、ひょんなことから村いちばんの分限者の養女に。

だれからも「ぼっけえべっぴん」と賞されたシヲでしたが、娘のふみ枝は
母・シヲには似ても似つかぬ牛蛙ともいえるような容貌。さらに、その娘
の小夜子はまた妖艶な美少女。そして、初潮をむかえたばかりの小夜子が
産み落としたのは、もはや“人とは呼べぬ”ものだったのです。

美しければ愛され、幸せなのか。そうでなければ…

美女と醜女が交互に生まれる岡山の旧家を舞台に、女系家族の憎悪と悲哀
の歴史がつづられていきます。

岩井さんをして「書いてはいけないものを、書いてしまった」と言わしめ
た、この作品は、あなたになにを問いかけるでしょうか。

ぼっけえ悩むけえ、気ぃつけんさい。(さえら本人は、岡山弁のつもり)

■著者:岩井志麻子 ■出版社:新潮社 ■価格:税込1575円

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by revenouveau | 2006-06-07 09:21 | 立読のようなもの
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