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死後結婚(サーフキョロン)

(「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます)


死後結婚。

はじめて耳にする言葉でした。

韓国語では「サーフキョロン」。というのも、これは、韓国に伝わる儀式
で、不意にこの世を去ってしまったひとを弔うためのものだというのです。

内縁の夫が謎めいた自殺を遂げた美貌の在日韓国人、沙羅。別れた男性が
理由もわからずに失踪してしまった若いOL、京雨子。

東京と韓国を舞台に、主人公のふたりが、死後結婚の儀式に関わっていく
ようすを柱に、物語が展開します。

前半は淡々と、そして、後半は小気味よいテンポで。

儀式に参加したことをきっかけに、京雨子の意識は、生者の世界と死者の
世界とを行き来するように…

そこに描かれる男女の奥深い愛憎。

恐ろしくも美しい、志麻子ワールドがくりひろげられるのです。

■著者:岩井志麻子 ■出版社:徳間書店 ■価格:税込1680円

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※背景の画像は「問題小説」掲載時の挿し絵より(部分・ぼかし加工)
by revenouveau | 2006-02-22 09:49 | 立読のようなもの
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