推理小説

(「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます)


ある夜、新宿区の戸山公園で起こった男性会社員を被害者とする殺人事件。
ちょうど、そこをとおりがかった女子高生が、その死体を発見しますが、
おなじ犯人に殺害されてしまいます。さらに、別の日、大手出版社に勤め
る編集者が被害者に…

まったく面識のない三人をつなぐものは、「アンフェアなのは、誰か」と
書かれた本の栞(しおり)だけ。

事件を担当するのは、警視庁きっての検挙率を誇る、雪平夏見と新米刑事
の安藤一之。

かのじょたちが、事件の糸口をつかもうと、捜査をすすめるなか、警察と
主な出版社に『推理小説・上巻』という原稿がとどくのです。

そこに書かれていたのは、犯人しか知ることのできない事件の詳細な記述
と、つぎに起こる殺人の予告。

そして、

   「事件を紡ぎたければ、この小説の続きを落札せよ」

                       という前代未聞の要求。

                ●

日本テレビ系ドラマの『最後の弁護人』に魅了されてしまった編集者が、
その脚本を担当した秦建日子さんに、小説の執筆をもちかけたのが、この
作品が世にでたきっかけだとか。

はたして、ここに、ただものではない小説がうまれてしまいました。

作品のタイトルは『推理小説』。しかし、それは、これまでの推理小説を
読む態度ではたちむかうことができそうもないのです。

そこに「書かれたもの」を真実であるかのように信じてしまうわたしたち
に仕掛けられたトリック。

アンフェア?

さあ、それは、だれのことなのでしょうか。

                ●

このレビューを、未知の可能性を秘めたた作家・秦建日子さんに捧げます。

■著者:秦建日子 ■出版社:河出書房新社 ■価格:税込1680円

連続ドラマ「アンフェア」フジテレビ(関西テレビ)系放映中

d0063999_831954.jpg
[PR]
by revenouveau | 2006-01-12 08:03 | 立読のようなもの
<< 西洋骨董洋菓子店  Antique スキ ・・・ >>