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紙のピアノの物語

(「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます)


ピアノの才能は、だれもが認めるところですが、フジ子・ヘミングさんは、
絵の才能もゆたかだということは、あまり知られていません。

デビュー盤「奇跡のカンパネラ」、そして「憂愁のノクターン」と、2年
連続して、日本ゴールドディスク大賞クラシック・アルバム・オブ・ザ・
イヤーに輝いたピアニストの絵本とは…

すこし余裕のある家では、ピアノが買いそろえられはじめた、そんな時代。

毋と少女は、ふたりだけの、つつましい生活をおくっていました。

ピアノが大好きな、その少女のために、毋があたえたのは、紙でつくった
ピアノでした。

毋が手づくりしたピアノで、練習する少女。そして、ひと粒の涙が、奇跡
をおこしたのです。

ちょっぴり前の、日本の、なつかしい感覚と音楽の楽しみを、伝えてくれ
る一冊。

郷愁を感じさせる、落ち着いた色づかいのイラストと、やさしくぬくもり
のある文章でつづられた世界は、巻末に寄せられた「私と弟が寝ると、毋
は必ずショパンを弾いていたの。子ども心にも、なんて素敵なんだろうと
思ったわ」という、フジ子・ヘミングさんの言葉につながっていきます。

■著者:松永順平 ■絵:フジ子・ヘミング
■出版社:講談社 ■価格:税込1470円


紙のピアノの物語_d0063999_711761.jpg


写真は、フジ子・ヘミングさんによる表紙絵(部分)
by revenouveau | 2005-09-15 07:09 | 立読のようなもの
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