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夜明けの街で

(「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます)


お盆休みあけ、妻子とともに幸せな生活を送っていた渡部が働く建設会社
に、派遣社員としてやってきた仲西秋葉。

はじめのうちは、なにごともなかったのですが、夜のバッティングセンタ
ーでの偶然の出会いからふたりの関係は深まり、ついに越えてはならない
一線を越えてしまいます。

   不倫する奴なんで馬鹿だ。
   ところが僕は、その台詞を自分に対して発しなければならなくなる。
  ただし、その言葉の後に、こう続ける。
   でも、どうしようもない時もある。         (本文より)

しかし、秋葉の家庭は複雑な事情を抱えていたのです。

かのじょの両親は離婚し、母親は自殺。その後、父親の愛人が殺されると
いう事件まで(15年前のこと)。

当時、殺害現場に倒れていたことから真犯人との容疑をかけられながらも、
沈黙をつけけてきた秋葉。

殺人者かもしれない女性との不倫の恋に揺れうごく渡部のこころ。

ふたりの関係がはじまって半年あまり。事件は、まもなく時効をむけよう
としていました。

■著者:東野圭吾 ■出版社:角川書店 ■価格:税込1680円

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by revenouveau | 2007-11-22 09:36 | 立読のようなもの

ロック母

(「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます)


未婚で妊娠をし、出産のため瀬戸内の島に里帰りした主人公を待っていた
のは、あいかわらずなにもない島の暮らしと、おかしくなってしまった母。

母は、じぶんが残していったロックのCD(ニルヴァーナなど)を大音量
で流しながら人形のきものを縫っていたのです。

表題作の「ロック母」(川端康成文学賞受賞)ほか、1992年から2006年
までの間に、角田光代さんが発表した7つの短編を収録。

   二十歳の自分が私のすべてではないように、一編の小説は
   それだけでは完結していない。そしてやはり人と同じよう
   に、小説も年をとったり、すがたかたちを変えていく。こ
   の短編集で、そんなことをも読みとっていただけたらとて
   もうれしい。

と、ご本人が〈あとがき〉で述べているように、角田さんの人生の足跡の
ようなものも感じとれる興味深い構成となっています。

■著者:角田光代 ■出版社:講談社 ■価格:税込1365円

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by revenouveau | 2007-11-15 09:19 | 立読のようなもの

ボタ福

(「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます)


せんべいの町で育った大福の〈ふくお〉とカステラの町で育ったぼたもち
の〈ボタ子〉。

べつべつの場所で育ったふたりの悩みは、じぶんはどこからきたのかとい
うこと。

ある日、テンガイコドクのふたりが偶然に出会い、ふるさと探しの旅にで
かけます。

似ているけれど、それぞれにちょっとずつちがうふたり。そんなちがいが、
あるときは好きだったり、あるときは嫌いだったり…

キュートなお餅たちのあたたかくせつない気持ちが、じわじわと、こころ
に迫ってくる絵本です。

おわりに用意された、「あっ」という結末も見逃せません。

■著者:オイカワショータロー イラスト:伊津野果地 
■出版社:講談社 ■価格:税込1890円

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by revenouveau | 2007-11-08 09:24 | 立読のようなもの

むらさきしきぶろぐ 2

(さえら版「紫式部日記」現代語訳のようなもの)


【五壇の御修法】

まだ夜も明けていないし、月も陰って、木の下も暗い感じがしたから、
 「格子をあげたいわね」
 「女官は、こんな時間に起きていないんじゃない」
 「蔵人があげればいいのよ」
なんていいあっているうちに、後夜の鉦を打つ音が響きわたって、五壇の
御修法がはじまったようす。
(五壇の御修法っていうのは、天皇や国家の大事のとき、宮中に五つの壇
を築いて息災を祈ることなんだけど)
僧侶の声が、遠く近く、聞こえてきて、とっても荘厳。

観音院の僧正は、東の対から寝殿へ。二十人のお伴を率いて、中宮様の加
持に向かうときの、ずしんずしんと橋を踏み鳴らしていく音までが、いつ
もとはまるでちがった感じ。
法性寺の座主は、馬場の御殿へ。
浄土寺の僧都は、文殿などへ。おそろいの浄衣すがたで、いくつもの風流
なデザインの橋を渡り、木々の間をぬけて帰っていくようすは、いつまで
もながめていたいほど…
斎祇阿闍梨に目をやれば、大威徳明王を礼拝してる。

と、こんな実況中継をしているうちに、女官たちもやってきて、夜もすっ
かり明けてしまったみたい。
(以上、現場から式部がお伝えしました。♪ ^^)


※( )内は、さえらの補足です。
※更新は、きまぐれです。

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by revenouveau | 2007-11-02 09:57