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はじめての文学

(「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます)


読書の秋も深まってまいりました。

ふだんはゲームやビデオなどを楽しんでいるあなたも、この秋は、読書に
親しんでみてはいかがでしょうか。

「で、なにを読めばいいの?」

はい。それは、とてもだいじな質問です。

なにをはじめるにしても、最初の一歩がかんじん。

そこでおすすめしたいのが今回ご紹介する〈はじめての文学〉シリーズ。

   村上春樹    村上 龍    よしもとばなな
   宮本 輝    宮部みゆき   浅田次郎
   川上弘美    小川洋子    重松 清
   桐野夏生    山田詠美    林真理子   (刊行順)

現代日本の文学界を代表する、個性豊かな12人の人気作家が、ご自身の
作品のなかから、「まずは、これから」という中・短編を選びました。

それぞれに“はじめての読者”にむけた作家のメッセージが感じられる
極上のアンソロジー。

気になる作家をもっとよく知りたいあなたにもおすすめです。

■著者:上記参照 ■出版社:文藝春秋 ■価格:各 税込1300円

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by revenouveau | 2007-10-26 09:26 | 立読のようなもの

タタド

(「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます)


環境省の水質調査で最高レベルのトリプルAを獲得したこともある、青く
透き通った海と白い砂浜。それが静岡県下田市にある多々戸浜。

そこからつけられたタイトルは「タタド」となり、抽象的な場所のイメー
ジに。カタカナの乾いたひびきも、小説の世界を象徴しているかのよう。

物語に登場するのは、地方テレビのプロデューサーをしているイワモトと
妻のスズコ、イワモトの番組に出演している女優のタマヨ、そしてスズコ
の元同僚のオカダ。

海辺のセカンドハウスに集まってきた50代の男女4人。

昼間は浜で海藻を拾ったり、夜は部屋で夏みかんを齧ったり、そんなあど
けない時間のなか、倦怠と淡い官能が交差して…

場所のちからが、かれらのからだを開いたのでしょうか。

川端康成文学賞を受賞した表題をふくめ、全3編を収録した短編集。

偶然再会した同級生夫婦の家での住み込みの仕事に就いた男性の姿を描い
た「45字」もおすすめです。

■著者:小池昌代 ■出版社:新潮社 ■価格:税込1470円

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by revenouveau | 2007-10-19 09:06 | 立読のようなもの

とりつくしま

(「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます)


亡くなって、あの世にやってきたひとのところに、のっぺりとした白い顔
をした何者かがやってきて、こう問いかけます。

「心残りはありませんか?」

その名も〈とりつくしま係〉。

この世に心残りがあるひとは、なにか(生きていないモノ)にとりついて、
一度だけもとの世界にもどることができるというのです。

妻は夫が愛用していたマグカップに、弟子は先生への贈り物にした扇子に、
ちいさな男の子は母親と遊んだ公演のジャングルジムに、父は家族を癒す
マッサージ器に、……

それぞれが、なにかにとりついて、この世にのこされたひとたちをやさし
く見守ります。

せつなくて、あたたかい10本の連作と番外編1本を収めた短編集。

読みおわったあと、ふしぎな感情につつまれる一冊です。

■著者:東 直子 ■出版社:筑摩書房 ■価格:税込1470円

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by revenouveau | 2007-10-12 09:16 | 立読のようなもの

むらさきしきぶろぐ 1

(さえら版「紫式部日記」現代語訳のようなもの)


【初秋の土御門邸(中宮彰子様の父・藤原道長様のお屋敷)】

秋の気配がしてくるころの土御門邸って、すご〜くいい感じ。
池のまわりの木々や遣水のほとりの草むらが色づいて…
空の美しさに引き立てられて、お経を読む声も雰囲気たっぷり。
だんだん涼しくなってくる風に、たえまない遣水の音がまじりあって聞こ
えてくるのなんかもいけてる。

(と、それはさておき)
中宮様のことだけど、そばにいる女たちがとりとめもない話しをしている
のを聞きながら、きっとうざいと思っているにちがいないのに、さりげな
く隠したりして…
いまさらいうまでもないけれど、きびしいこの世の中、こんな方を探しだ
してでも就職するべきだったんだと、いつもの考えとはうってかわって、
なんていうかすべてを自然に忘れてしまえるのも、不思議といえば不思議。
(とにかく、働く女は、たいへんなのよ)


※( )内は、さえらの補足です。
※更新は、きまぐれです。

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by revenouveau | 2007-10-09 12:24

グラビアの夜

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男性向け雑誌の巻頭をかざる水着グラビア。そこにかかわる人々を語り手
に、ひとつの世界を描きだした短編集です。

   グラビアの夜(編集者)

      白い海で泳ぐ水着(スタイリスト)

         メイクルーム(ヘアメイク)

            うさぎ狩り(カメラマン)

               バスローブ(マネージャー)

                  マリアさまのカメラ(モデル)

あえて二流どころの雑誌の撮影現場を舞台に設定したというのも林真理子
さんの感覚が光るところ。

一流になるためにリスクを背負うよりも、そこそこの場所で気楽に生きて
いく。本来ならば野心をもったひとたちがいるはずの世界の、そんないい
ようのないぬるさのなかに、現代社会の体力のなさがリアルに浮びあがっ
てくるのです。

けれど、ひとは、そこにじぶんの“居場所”をみつけようとするのも現実。

ご自身の編集者が、かつてグラビアを担当していたことをきっかけに生ま
れたこの物語は、林さんの新たな面をみせてくれたような気がします。

■著者:林真理子 ■出版社:集英社 ■価格:税込1365円

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by revenouveau | 2007-10-01 09:13 | 立読のようなもの