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ダーティ・ワーク

(「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます)


健康診断で心臓の再検査を告げられた女性スタジオミュージシャン、外車
ディーラーに勤める車好きな女性、カマロに乗りカメの飼育日記のサイト
をもつ男性、自分のことを「オレ」とよぶ悪性リンパ腫の女性、趣味で写
真を撮りつづけている花屋の男性、…。

登場するのは、過ぎ去っていく日々のなかで、ふとした瞬間に、喪失感や
孤独感をおぼえてしまうひとたち。

一人ひとりが、それぞれの日常を生きながら、だれかのことを思い、つな
がっていこうとする。そんな感情を、絲山秋子さんは、みごとにすくいあ
げていきます。

ばらばらのように思えていた物語は、いつしか、ひとつの世界に。

タイトルの「ダーティ・ワーク」は、ローリング・ストーンズのアルバム
にちなんだもの。各章がアルバムにおさめられた曲名をメチーフにつづら
れていく連作短編集です。

■著者:絲山秋子 ■出版社:集英社 ■価格:税込1365円

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by revenouveau | 2007-09-27 09:14 | 立読のようなもの

包帯クラブ 〜Tha Bandage Club〜

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先週末に公開された映画の原作についての過去記事を再掲します。

                ●

ときに理不尽を感じさせる世の中に生きるわたしたちの、苦しみのひとつ
ひとつを、小説のなかで解体していくかのような天童荒太さんの世界。

7年ぶりの書き下ろしが誕生しました。

ワラ、ディノ、タンシオ、ギモ、リスキ、テンポ。

関東のはずれの町にくらしている高校生たち。

だれもが、毎日、どこかで傷ついている……。あるとき、傷ついた場所に
包帯を巻いてみたら、気持ちがすっと楽になったのです。

大切なものを守ろうとして、懸命にたたかっているつもりでいると、別の
大切なものが失われている。かれらは、たたかわないで、じぶんたちの大
切なものを守ることにしました。

悩み、考え、行動し、挫折し、また立ちあがっていく少年少女。

町じゅうに包帯を巻いて、町じゅうの傷を癒して……

■著者:天童荒太 ■出版社:ちくまプリマー新書
■価格:税込798円

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by revenouveau | 2007-09-21 09:51 | 立読のようなもの

クローズド・ノート

(「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます)


今月末の映画公開に寄せて過去記事を再掲します。

                ●

主人公の大学生・香恵が、あたらしく住みはじめた部屋にのこされていた、
前の住人の忘れ物。

それは、一冊のノートでした。

いつか、もとの持ち主が、そのノートを取りにあらわれるだろうと思いな
がらも、ときはすぎ、かのじょは、ついにノートを開いてしまいます。

そこにつづられていたのは、小学校で4年生の担任をつとめる真野伊吹と
いう女性の日常のできごと。

そのときから、香恵の平凡だった日々が、おおきくかわりはじめます。

伊吹先制とこどもたちや親とのかかわり、問題をかかえる生徒に悩む姿、
思いをよせている男性とのこと…

クローゼットの奥で眠っていたノートに書きつけられていた言葉たちは、
はたして、香恵のこころのなかで生彩をはなちながら、その現在とリンク
していくのです。

■著者:雫井脩介 ■出版社:角川書店 ■価格:税込1575円

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by revenouveau | 2007-09-18 09:54 | 立読のようなもの

アタシ、どこか間違ってる?  (50)

「お支払いには、クレジットカードがご利用できます」


さて、この言い方のどこが間違っているのでしょうか。

正解例は、こちら...
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by revenouveau | 2007-09-14 09:34 | 美句のようなもの

家日和

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子育てから手がはなれ、じぶんの時間がもてるようになり、ネットオーク
ションにはまってしまう主婦。

長年勤めていた会社が倒産。妻が働きにでて、かわりに家事を担当するこ
とになった夫。

内職をきっかけに、ひそかに妄想する楽しみを知った主婦。

いま注目の“ロハス”に凝りだした妻に辟易し、不満をつのらせる夫。

などなど…

家庭のなかの、ちいさいようで、案外深い溝を、奥田英朗さんならではの
タッチで、鋭く、明るく描きだした6つの物語。

「ビター&スウィートな“在宅”小説」という帯のふしぎなコピーにも、
なるほど、と納得させられてしまいます。

■著者:奥田英朗 ■出版社:集英社 ■価格:税込1470円

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by revenouveau | 2007-09-10 09:39 | 立読のようなもの

アタシ、どこか間違ってる?  (49)

「当店自慢の味を、どうぞご賞味ください」


さて、この言い方のどこが間違っているのでしょうか。

正解例は、こちら...
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by revenouveau | 2007-09-07 09:23 | 美句のようなもの

ありふれた風景画

(「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます)


地方の高校を舞台に、十代の生々しく儚い出会いと別れを描いた青春小説。

ストーリーは、(根拠もなく)ウリをやっていると噂されている高校2年
の高遠琉璃と、かのじょの一年先輩、美貌の持ち主で動物や自然の声を感
じとれる特異な能力をもつ綾目周子のふたりを中心に展開します。

ところが、そこにつづられるのは、噂や特別な能力によってひきおこされ
る事件ではなく、かのじょたちの、ごくふつうの日常。

しかし、その日常こそが、じつはすごくドラマチックなんだということが、
むだのない文章から伝わってくるのです。

おそらく、それが「ありふれた風景画」というタイトルに込められた意味。

あるインタビューで、この作品について「わたしは、自分にとって『この
人だ』という人間に出会えたとき、その人の世界が一変すると思っている
んです。(中略・年齢や性別に関係なく)その出会いによって世界が反転
するところ、くるりと変わるところを書きたかった」と語っていたあさの
あつこさんの思いを、あなたはどう受けとめますか。

■著者:あさのあつこ ■出版社:文藝春秋 ■価格:税込1470円

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by revenouveau | 2007-09-04 09:11 | 立読のようなもの