とりつくしま

(「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます)


亡くなって、あの世にやってきたひとのところに、のっぺりとした白い顔
をした何者かがやってきて、こう問いかけます。

「心残りはありませんか?」

その名も〈とりつくしま係〉。

この世に心残りがあるひとは、なにか(生きていないモノ)にとりついて、
一度だけもとの世界にもどることができるというのです。

妻は夫が愛用していたマグカップに、弟子は先生への贈り物にした扇子に、
ちいさな男の子は母親と遊んだ公演のジャングルジムに、父は家族を癒す
マッサージ器に、……

それぞれが、なにかにとりついて、この世にのこされたひとたちをやさし
く見守ります。

せつなくて、あたたかい10本の連作と番外編1本を収めた短編集。

読みおわったあと、ふしぎな感情につつまれる一冊です。

■著者:東 直子 ■出版社:筑摩書房 ■価格:税込1470円

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by revenouveau | 2007-10-12 09:16 | 立読のようなもの
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