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日本語は人間をどう見ているか

(「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます)


認知言語学(認知意味論)というのをごぞんじでしょうか。

これは、研究者によって定義が多少異なる場合もあるのですが、わかりや
すくいえば、「意味」の側面から人間の言語能力を研究する学問。言葉を
通じて、こころの働きを理解しようとする研究といってもいいかもしれま
せん。

さて、それをふまえて、本題です。

たとえば、わたしたちは「才能が花開く」などと人間ではないものを引き
合いにだして人間を描写したりしますが、それはなぜなのでしょうか。

それを認知言語学の手法をつかって解き明かしてみようというのが、この
本のねらい。

表現に用いられる、人間以外のものとして取りあげられるのは、〈植物〉
〈鳥〉〈天気〉〈機械〉〈想像上の存在〉の五つです。

小説や新聞など、これらをつかった描写がどのような場面でつかわれてい
るかを、さまざまな用例を通して解説。しかも、専門的な用語がほとんど
つかわれていないのもうれしい配慮。

さらに、「卵」は専門的な分野にかかわるひとにかぎってつかわれるが、
「ひよこ」は専門職にかぎらないなど、あいまにはさまれた、言葉の用法
に関する指摘にも注目してほしい一冊です。

■著者:籾山洋介 ■出版社:研究社 ■価格:税込1365円

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by revenouveau | 2007-04-04 09:22 | 立読のようなもの
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