人気ブログランキング | 話題のタグを見る

100回泣くこと

(「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます)


実家で飼っている、愛犬のブックが「死にそうだ」という知らせをうけた
浪人生の〈僕〉。

   「バイクで帰ってあげなよ」

かのじょのそんな言葉に、ブックが2ストロークのバイクがだすエンジン
音が大好きだったことを思いおこし、4年ちかく乗っていなかったバイク
を分解し、かのじょといっしょに整備をはじめました。

バイクの部品を洗いながら、〈僕〉は、かのじょにプロポーズ。

唐突な「結婚しよう」の告白に、かのじょは、一年間(結婚の)練習をし
ようといってくれました。

そして、一命をとりとめたブック。

幸せのはじまりか…

しかし、かのじょは、病におかされていたのです。

悪性の卵巣ガン。

あまりにもせつない状況のなかで交わされる会話が胸をうちます。

   「だけど今まで想像していた未来とは、違っちゃうでしょ?」
   「違わないよ」…「そりゃちょっとした構図の変化はあるかも
   しれない。だけど絵の色は変わらないよ。絶対に変わらない」

今回もまた、宮尾和孝さんの表紙イラストがあたたかくていいのです。

■著者:中村 航 ■出版社:小学館 ■価格:税込1365円

100回泣くこと_d0063999_936070.jpg

 << よろしければクリックを
by revenouveau | 2006-08-03 09:36 | 立読のようなもの
<< アタシ、どこか間違ってる?  (6) ウール100%・ウール101% >>