(「宇野鴻一郎」のような)
あたしって、グラマーすぎるんです。 自分で言うのもなんだけど……肌もほんのりピンク色。 いい線いってると思うんです。 「どれどれ、ンッ、柔らかなうぶ毛だ。それに……甘ーい蜜の匂いが する」 あーッ、おじいさま。 あたしを抱き起こして、じろじろとナメまわすように見るんです。 えっ? こんどは指を…… すごく、ヘンな感じ…… おじいさま、あたしのこと見つめて、反応をたしかめながら…… 近くに、女のひともいるみたい。 このひと、いっそうハリきってるんです。 もうダメ。 あたし、思わず、声を…… 女のひとも一緒になって。 あたしのこと、指でつついて試してるみたいなんです。 あーッ。 こんどは、おじいさま、何か黒光りするものであたしを。 「イヤっ……」 おじいさま、ゆっくりと中に…… グサリッ。 でも、これ、何かしら。 とってもカタイんです。 あッ、このひと、どんどん奥に…… あたしって、きっと、意志が弱いんだわ。 どうしても、拒めなかったんです。 このひと、ゴクリとつばをのみこんで 「ほら、とってもいい匂いだ。甘そうな蜜だ。ほぉ、色もいいじゃな いか。見てごらん、おばあさん」 なんて言ってるんです。 と、このひと、いっそうあたしに、にじりよってきた。 あーッ。 あたしに、手をかけて、 グイッ とひらく。 「あッ、いけないわ」 このひと、強引なんです。 「あっ、やめて」 と言いながら、あたし、気が遠くなって失神しちゃたんです。 「何ってことだ。ほぉら、おばあさん、見てみなさい。桃の中から、 こんなに可愛い男の子が……」 「まぁまぁ、ホントに可愛いこと。これは、神さまからの授かりもの ですよ。ねぇ、おじいさん」 気がつくと、二人でこんなこと言ってるんです。 あたしのこと、さんざんジラせておいて、いい気なもんだわ。 まったく。 (つづく) このシリーズは、毎週月曜日・木曜日(平日)に掲載します。 << よろしければクリックを
by revenouveau
| 2006-03-20 09:03
| 小説のようなもの
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