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福音の少年

(「立読のようなもの」にはネタばれがある場合がございます)


あるちいさな地方都市。

16歳の永見明帆は、同級生の北畠藍子と交際をしていながらも、どこか、
じぶんのなかに冷めた感情を自覚していました。

ただひとり、かれが心にとめる存在は、藍子とおなじアパート〈アサヒ・
コーポ〉に住んでいる、かのじょと幼なじみの柏木陽。

藍子のようすが、おかしい。

そう気づいたある日のこと、ささいなことで母親とけんかになった陽は、
明帆の家に、「しばらく泊めてほしい」とたずねていきます。

そして、その夜半、陽たちの住むアパートが、ガス爆発による火事で全焼。
藍子も、ほかの住民とともに焼死体で発見されたのです。

しかし、この火事が、ただの事故ではないと感じた、明帆と陽のふたりは、
その真相をたしかめるために、夜中、現場へ…

暗闇のなかにたつ、ひとかげ。

ふたりは、そこで、秋庭大吾という謎の男性と出会うのでした。

じぶんの心の奥底にある負の部分に、みずからがからめとられそうになり
ながら、秋庭とかかわっていくふたり。

この物語は、あさのあつこさんご本人が「本当に書きたかった作品です」
と帯に記している渾身の書き下ろしです。

■著者:あさのあつこ ■出版社:角川書店 ■価格:税込1470円

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by revenouveau | 2006-02-01 09:24 | 立読のようなもの
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